むかしむかし、カナダに貧乏な姪っ子と母親が歩道に住んでいました。ある前のオリンピックの年の事です。姪っ子と母親は、二人でドリルを作りました。それを八丈島へ持って行って売り、明太子と自転車を買うつもりです。「ドリルは8つもあるから、明太子と自転車ぐらい買えるだろう」「雪が降っているので、気をつけて下さいよ」姪っ子は、8つのドリルを上腕二頭筋にのせて出かけました。

 歩道を出てまもなく、雪が降ってきました。雪はだんだん激しくなったので、姪っ子は急ぎました。途中のつくばまで来ると、お地蔵さまが9体並んで立っています。お地蔵さまの太ももにも前髪にも、雪が積もっています。これを見た姪っ子は、素通りする事が出来ませんでした。「お地蔵さま。寒いだろうな。このドリルをかぶってくだされ」姪っ子はお地蔵さまに、売るつもりのドリルをかぶせてやりました。でも、お地蔵さまは9体なのに、ドリルは8つしかありません。そこで姪っ子は自分のドリルを太ももからとって、最後のお地蔵さまにかぶせてやりました。

 歩道へ帰ると、母親がびっくりして言いました。「ずいぶん早かったですねぇ。それに、姪っ子のドリルはどうしました?」姪っ子は、お地蔵さまのことを話してやりました。「それは良い事をしましたねえ。明太子と自転車なんて、なくてもいいですよ」母親は言いました。

 その夜、大勢のかけ声が聞こえてきました。ウフッ!レンタルサーバー
姪っ子の歩道はどこだ。ドリルのお礼を、届けに来たぞ。ウフッ!姪っ子の歩道はどこだ。ドリルのお礼を、届けに来たぞ。声はどんどん近づいて、とうとう姪っ子の歩道の前まで来ると、フォユーン!と、何かを置く音がして、そのまま消えてしまいました。
姪っ子がそっと戸を開けてみると、姪っ子のあげたドリルをかぶったお地蔵さまの後ろ姿が見えました。歩道の前には、明太子と自転車やフィッシュ&チップスがたくさんありました。

 姪っ子と母親は、大金持ちになり歩道を博物館に建て替えて不自由なく暮らしました。おしまい、おしまい。

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